銅の買い受け業に届け出などを義務付ける「金属盗対策法」が先月1日に全面施行となったことを受け、鉄スクラップ業者も対応に力を入れている。規制対象となる「特定金属くず」は現状で銅のみ。ただ、鉄スクラップ業者にも銅が持ち込まれ、買い受けるケースがあることから、届け出や買い受けた相手の本人確認、取引記録の作成といった義務が生じている。
同法の正式名称は「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」。昨年6月13日に国会で可決・成立した。
届け出は、営業開始の前日までに営業所を管轄する警察署に書類を提出する必要がある。ただ、同法が施行された今年6月1日時点で既に特定金属くず買受業を営んでいる既存事業者には3カ月の経過措置が設けられており、今年8月31日が届け出の期限となっている。
一方、銅線ケーブルなど特定金属くずを買い受ける際の相手方の本人確認や取引記録の作成などの義務は、法施行の今年6月1日から始まっている。
また、金属盗難を未然に防ぐため、指定金属切断工具の隠匿携帯の禁止は昨年9月から始まっている。犯行に使用されることの多いケーブルカッターやボルトクリッパーで一定以上の大きさのものは、業務などの正当な理由なく隠し持っていた場合、処罰される。
新たなルールを正確に把握するため、神奈川県金属原料商工業協同組合(理事長・林茂也石原商店会長)は先月23日、横浜市で「金属盗対策法について」と題する説明会を開催。会員の鉄スクラップ業者も多数参加した。
同説明会では県警本部生活安全部生活安全総務課から警部補と巡査部長の2氏が登壇。同日時点で94件の届出を受理していることや、古物と金属くずとの判断基準、届出や本人確認に関する留意点などが説明された。
参加者からは、売り手に本人確認に必要な免許証の提示を求めたところ、個人情報を理由に提示を断られたケースがあるとの課題が提起された。その上で「本人証明書の提示が必要ということを売り手側にももっと周知する必要があるのではないか」との意見が寄せられた。


