――非鉄軽金属本部の概要を。
「非鉄軽金属本部は旧丸紅メタルの事業が中心となる組織で、アルミ缶材などを手掛ける容器材事業部、プリント基板や電子部品、伸銅品などを手掛けるデバイス・熱マネジメント(DTM)部、アルミ圧延品・押し出し品や電線、建築資材などを取り扱うサプライチェーンマネジメント(SCM)部、旧丸紅テツゲン西日本支社の鉄スクラップを除く工業用原料、土木・環境資材などのビジネスと旧丸紅メタルのSCM・DTMビジネスに対応する西日本支社大阪営業部という1事業部3営業部体制で始動する。本部の人員は46人」
――会社の統合が決まり、旧丸紅メタル社員には何を伝えたか。
「変化を恐れず、スピード感を持ってほしいということ、そして当事者意識をもって自発的に新会社の文化を創っていこうと伝えた。また丸紅メタルとしては3カ年計画の途中ではあったが、新会社となることで経営基盤が強化されるので、取り組もうとしていた改革をやり遂げようと強く意思表明した。新会社には営業本部から独立した形で新規事業推進室が設置されており、新規ビジネスと投融資の支援を行う。統合する2社が温めていたアイデアの実現可能性が高まると期待している」
――M&Aや事業投資も検討課題となるのか。
「トレードの延長にある分野への事業投資は常に検討している。これまではメーカーもしくはユーザーのエージェントとしてトレード主体のビジネスが中心だったが、これからは社会や対面業界、取引先の課題を解決し、持続的な企業価値向上につながるビジネススキームを作っていく」
――旧丸紅メタルから見て、今回の統合シナジーをどう分析しているか。
「リサイクル分野において、鉄と非鉄をまとめて扱うことのメリットは大きいと考えている。新設される金属リサイクル本部としてのメリットの一つは、拠点網が拡大すること。これまで旧丸紅メタルでは東京と大阪、米国(シリコンバレー)、中国(上海)、タイ(バンコク)のみだったが、丸紅テツゲンの持つ名古屋と仙台、台湾(台北)、ブラジル(リオデジャネイロ)に新年度よりインド(ムンバイ)が加わることになる。まずは従来拠点での営業となるが、台湾にはデバイスの大手ユーザーがおり、旧丸紅テツゲンの拠点を活用することでビジネスチャンスも広がるだろう」
「鉄鋼業界のサプライチェーンを活用できる可能性もメリットになる。ステンレスなどは伊藤忠丸紅鉄鋼との協業、例えば同社の出資先を活用したビジネス展開もさらに実行しやすくなるとみている」
――非鉄軽金属本部を取り巻く環境は。
「全般的に前向きな環境だと捉えている。容器材はアルミ缶材という環境負荷が低い製品を扱っているが、特に付加価値の高いボトル缶について海外の成長市場に活路を求めていく。DTMはデータセンター市場の拡大でメモリやデバイス、熱マネジメント分野においてアルミや銅が素材として活躍するチャンスがある。SCMにおいても不確実性が増す世界情勢の中で、安定供給を求めるユーザーの要求は一段と増すこととなる。特に中国に調達を頼る非鉄軽金属製品などの安定調達は当該ユーザーにとっては大きな課題。ユーザーの戦略的な調達が意識される中、安定供給とサプライチェーンの見える化・強靭化、価格コントロールをセットでサポートできる当社の役割は大きくなるのではないか」
――〝丸紅テツゲンメタルズならでは〟の商品づくりのイメージは。
「日本発の卓越技術や先端技術を海外市場に提案していくことが一つの方向性だろう。ボトル缶がその一つであり、メモリ分野での新技術への対応なども重要になる。成功体験を増やし、新しい会社として新しいビジネスを増やしていきたい。その仕込みはすでにできている。事業投資なども含めてやりたかったことの実現確度を高めていきたい」
――収益目標は。
「短期的には新会社全体の3分の1から4分の1というラインになるが、データセンター関連など伸び代に期待されている。今後、収益力のさらなる強化を図っていきたい」



