還暦の感想は「実感がないなあ」とさらり。印象に残る仕事はステンレス溶融還元炉の開発だ。10年がかりで基礎研究や実験に取り組み1994年に千葉地区で実用化にこぎつけた。 ところがその後、この炉で操業面の課題が浮上。当時、千葉の副所長だった數土文夫元社長から白羽の矢を立てられ、95年から2年間、製鋼部で課題解決に奔走した。研究者が現場第一線に赴...