



都市部を中心に激甚化する豪雨による浸水対策として、地下トンネル式の調整池の整備が進んでおり、シールドトンネルの覆工材として「NMセグメント」が活躍している。
「NMセグメント」は、リング間継手に独自のかみ合い構造を採用した嵌合方式の合成セグメントである。外径10m以上の大口径トンネルに多数の適用実績を持ち、かみ合い構造によって優れた耐震性能を確保するとともに、継手部には4条の止水ゴムを封入することで高い止水性能を発揮する。
供用時には、トンネル内に流入する雨水の圧力(内水圧)によってコンクリートにひび割れが生じ、耐久性に悪影響を及ぼす可能性があるため、鋼殻によって止水性を担保する製品管理を実施している。
施工時には、セグメントの組み立てと同時に連結可能なワンパス挿入継手を採用。リング間の継手金物がトンネル軸方向の引張力のみを伝達する構造とすることで、セグメント本体への負荷を軽減し、急速施工性を実現している。
環境面では、今後CO2削減を意識したコンクリートの適用を進め、環境対応型製品としての進化を目指す。「NMセグメント」は、単なる土木資材ではなく、社会の安全と安心を支える「技術の結晶」として、品質へのこだわりと未来を見据えた技術革新を継続し、日本のインフラを支える存在として、災害対策・都市機能向上・環境対応に向けて前進を続ける。