増厚により抑制効果を高める「のり枠増厚タイプ」(左)、増設により抑止効果を高める「のり枠増設タイプ」
増厚により抑制効果を高める「のり枠増厚タイプ」(左)、増設により抑止効果を高める「のり枠増設タイプ」
増厚により抑制効果を高める「のり枠増厚タイプ」(左)、増設により抑止効果を高める「のり枠増設タイプ」

 施工後40年を経過したフリーフレーム工法は、全国で累計1,000キロメートル以上に達し、その維持管理が急務となっている。特に、構造物自体の劣化だけでなく、地山の風化や浸食といった変状がのり面の不安定化・崩壊リスクを高める主要因だ。フリーフレーム協会での調査やアンケートを実施したところ、構造物の劣化はそれほど進行しておらず、地山の変状が多いことが分かった。

 この現状に対し、フリーフレーム協会は地山変状に対しての補強対策工「レインフォースフレーム工法」を開発し、その適切な導入を促す「ガイドライン(案)」を策定した。

 本工法には、のり枠断面を増厚する「のり枠増厚タイプ」と、ロックボルトと併用し抑止力を高める「のり枠増設タイプ」の2種類がある。最大の特長は、既設枠を撤去せず補強することで、コスト削減、工期短縮、廃棄物処理問題の解消、そしてCO2削減効果を実現できる点である。

 さらに、ガイドライン(案)は、特に地山の変状調査、評価、対策工の設計手法に重点を置き、効率的かつ的確な対策選定を支援する。のり面の防災と環境保全を両立させる本工法は、今後の維持管理に新たな選択肢となりえると考える。