三晃金属工業の「サンコーハイスイUP工法」は、工場や倉庫のスレート屋根の台風や豪雨の漏水対策として開発した、雨水排水能力を大幅に高める新工法である。
特徴は、屋根材に「反り加工」を施し、大型排水樋の設置スペースを確保する点で、既存屋根の形状や排水量に応じて、谷樋の幅を拡張する「ワイドタイプ」、深さを拡張する「ディープタイプ」、屋根の中間部に排水樋を設ける「ツインタイプ」の3種から選択できる。
ワイドタイプとディープタイプでは、鋼板同士をハイタフ帯シート(軽量かつ高防水性のエチレンプロピレンゴム系シート)で熱風融着する「エックスロン防水」で谷樋を設置(拡張)。さまざまな形状・大きさの谷樋に対応可能。ツインタイプでは、屋根中間部に排水樋を設け、既存谷樋への雨水の流入を軽減し、オーバーフローを防止する構造となっている。
改修時期を迎えたスレート屋根では、経年劣化や台風の大型化、ゲリラ豪雨の頻発といった近年の環境変化で、既存の谷樋では排水能力が不足し、雨水があふれて建屋内へ侵入する事例が多く発生している。スレート屋根を金属屋根でカバー改修する「サンコースライダー25」と同時に施工することで、排水能力を大きく高め課題解決に対応する。