

令和7年8月6日からの線状降水帯等により、九州や北陸地方で土石流・流木による甚大な被害が発生している。特に近年は流木による被害が拡大しており、国では流木被害を減少させるため、既設不透過型砂防堰堤について、流木捕捉効果を高めるための改良を積極的に推進している。「J-HDスリット」はその施策に合致した対策工として開発、既設不透過型砂防堰堤に極力手を加えずに後付設置可能な鋼製流木捕捉工である。全国各地で施工され捕捉実績もあり、令和4年1月31日付で一般財団法人 砂防・地すべり技術センターより建設技術審査証明書を取得している。
一方、最近では地球温暖化の影響で大規模山林火災が発生、鎮火後は山の保水力が低下しているため、大雨による土砂災害発生リスクも高まっているので、梅雨や台風シーズン前に緊急に対策を講じる必要がある。また、発災後の不安定土砂や流木の流出による2次災害防止、安全性の早期確保も望まれている。そこで、鋼製保護枠内部に大型土のうを中詰めし、土石流荷重にも耐え得る応急・緊急対策工の「応急土石流ガード」を開発し、緊急対策や2次災害防止、工事の安全対策に貢献している。
今後も、安心と笑顔のあふれる未来創造のため、防災・減災、国土強靭化への取組を継続していく。