日鉄建材はこれまで、土石流や流木対策として、平常時には自然環境を損なうことなく土砂や水を流下させ、土石流発生時には巨礫や流木を効果的に捕捉する機能を備えた鋼製透過型堰堤(鋼製スリットダムAB型など)を全国各地に展開してきた。こうした豊富な実績とノウハウを活かし、新たに、無流水渓流(小規模渓流)で発生する土石流や流木による被害を防止するための「スリットバリア」を開発し、砂防・地すべり技術センターの建設技術審査証明も取得した。

 「スリットバリア」は、砂防分野はもとより、治山、道路(沿道)、鉄道(線路沿い)といった分野の小規模渓流に適用可能な製品である。鋼製高さは2.0~6.0メートル、主部材にはH形鋼を使用した三角フレーム構造を採用している。柱部材の上流側には鋼管製の横部材を配置し、直径0.2メートル程度の小さな石礫や流木においても効率的に捕捉できる構造となっており、その捕捉性能は水理模型実験により検証済みである。基礎構造については、コンクリート基礎による「アンカー固定方式」に加え、「支柱埋め込み方式」や「杭基礎方式」にも対応可能な仕様としている。

 今後も日鉄建材は、顧客の声に真摯に耳を傾け、「スリットバリア」のような時代のニーズに応える製品開発を通じて、防災・減災・国土強靱化に貢献していく。