1955年(昭30)1月に設立した東京鋼板シヤー組合(設立当時は東京薄鋼板シャーリング倶楽部)は、都内の薄板加工・販売業者の団体として組織化され、71年に会員増加に伴って現在の名称へ変更した。東京鋼板シヤー組合は東鉄連と同じく、今年設立70周年を迎えた。
初代会長、山本兼吉氏(山兼シャーリング)が草創期の組合運営を主導し、その後は現会長の山岸邦幸氏(東邦シャーリング社長)まで11代にわたってたすきをつないだ。
現在の会員数は29社。会員の多くは薄板および中厚板の加工・販売業者だが、業界を代表するコイルセンター大手各社も所属する。最盛期は70社近くを数えたものの、時代の変遷や環境の変化に合わせて会の役員数や組合運営もスリム化。事務方の業務負担を軽減し、簡素な運営が定着している。
一方、組合運営で大切にしていることは、会員同士の『親睦』だ。現・山岸会長は「東京鋼板シヤー組合のモットーは『親睦』」と開口一番に述べ、「歴代会長らは会員同士の親睦と絆を深めて、情報交換や意思疎通を図りながら業界の発展・向上につなげてきた」と話す。年間事業として例年実施する定時総会や暑気払い、家族慰安の夕べ、ゴルフ大会や新年初顔合わせなど組合が行う行事や会合では、会員企業の役員だけでなく社員らも多く参加する。「参加者らの絆づくりや、健全かつ有益な情報交換の場を大切にする運営をこれからも心がけたい」と強調する。
東京鋼板シヤー組合も今年、節目となる70周年を迎えた。山岸会長は「上部団体の東鉄連や他の関連団体、また歴代会長や先人達、そして今も当組合の運営に関わっている皆様へ感謝を申し上げたい」と述べる。設立70周年の記念事業は今秋に日本古来の鉄づくりである島根の菅谷たたら山内で「たたら製鉄(小だたら)」操業を体験する研修旅行を計画する。「組合としての記念旅行は20年ぶり。会員相互の親睦と絆をこれまで以上に深めて、80年、90年、100年と続く組合にしていきたい」と述べるとともに、「これからも組合が長年培ってきた業界の経験や知識、人脈などを積極的に次世代へ伝えることで、組合の若手メンバーらにとって喜ばれ、役立つイベントや、有意義な組合事業を企画・運営して、業界の発展と向上につなげていきたい」。