独VDMメタルズ(以下VDM)は世界トップのニッケル合金メーカー。ニッケル合金を主力にジルコニウム合金など、厳しい使用環境で使われる高機能材料をそろえ、用途に応じた提案を行い、全世界に製品を供給する。形状は帯、板、ワイヤ、棒、鍛造用ビレットなど多様で、最先端設備と効率的プロセスにより、顧客ニーズにきめ細かく対応している。
アセリノックスグループは昨年11月、米ヘインズ・インターナショナルの買収を完了し、高性能合金部門をVDMとヘインズが担う体制を構築した。VDMは化学プラント、石油・天然ガス、電池など幅広い領域で事業基盤を確立し、ヘインズは航空宇宙分野や米国市場に強みがある。
両社とも長い歴史を有し、材料開発で世界最先端を走ってきた。これからも新材料開発で本領を発揮するとともに、各々の得意分野や特長を生かして、力を合わせてマーケットに対応していく。
VDMは、3D積層造形向けを中心に粉末製品にも力を入れている。ウンナ工場(ドイツ)内の金属粉末工場の生産能力は中期的に現行比3倍に増強する計画だ。
新たな粉末製品の一例が板・管などで実績豊富な「VDM699XA」。耐メタルダスティング性や耐クリープ性に優れるとともに加工性や溶接性を向上した開発鋼種で、粉末も製品化している。




