神鋼環境ソリューションが手掛けた下水汚泥処理施設
神鋼環境ソリューションが手掛けた下水汚泥処理施設

 コベルコグループは、エンジニアリングに関する事業として、直接還元鉄や原子力プラント関連のほか、水処理、廃棄物処理プラント、医薬・化学機器などを手掛けている。我々の暮らしに直結する課題の解決を担うのが、子会社の神鋼環境ソリューション(社長・奥村英樹氏)だ。

 同社のミッションは「今を越える発想で、健やかな環境と暮らしを次世代へ。」。地球温暖化や異常気象、水質・大気の汚染など、さまざまな環境問題にアプローチし、カーボンニュートラル(CN)のトップ企業を目指している。

 主力事業となる水処理関連事業では、上下水道、バイオマス、冷却塔などの施設設計・施工、運転・維持管理などを行い、下水機械設備の受注では国内トップ3という。廃棄物処理技術である流動床式ガス化燃焼炉においては世界最高水準の高エネルギー回収率を実現している。下水道・廃棄物の垣根を越えた処理として、産廃の合わせ処理など、CNの実現に貢献する技術の開発を加速させている。

 医薬・ファインケミカル機械関連事業では、化学工業分野で製造プロセスの心臓部となるグラスライニング製機器や、各種装置を製作。高品質なモノづくりが求められる医薬品、電子材料など幅広い分野で活躍している。新規事業にも積極的で、水電解式高純度水素発生装置「HHOG®」は着実に納入実績を伸ばしている。独自開発の機能性原料「金のユーグレナ®」を用いた食品やサプリメントも販売中。

 また、コベルコグループのエンジニアリング事業を語るに当たり、同様に外せないのはコベルコE&M(社長・浅田秀樹氏)。製鉄・化学系の総合プラントエンジニアリングや、製鉄所・発電所関連設備などのメンテナンスで高いr評価を得ている。

 再生可能エネルギーで製造したグリーン水素と気化した液体水素を併用する「ハイブリッド型水素ガス供給システム」の実証実験設備を神鋼環境ソリューションと共同で手掛けており、神戸製鋼にて実証実験を継続中。今後、グループ全体で水素利活用社会への貢献を目指す。グループ外からもCN関連の引き合いが増加し、活況を呈している。