日本鉄鋼連盟は21日、持続可能なサプライチェーン(SC)構築・効率化に向けて、鋼材物流のガイドラインを策定したと発表した。「2024年問題」への対策として、法改正で今年4月から全ての荷主事業者に物流効率化への取り組みが義務付けられる中、関係ユーザー団体に会員企業への周知を要請する。

 ガイドラインでは、発着連携(発荷主として鋼材ユーザーに呼びかける連携)で順守を求める際の業界統一ルールを明示。「納入時間の柔軟化・緩和」や「納入ロットの拡大」など六つのテーマに沿って冊子に取りまとめ、SC全体で呼びかけ合い連携していくべき事項を整理している。

 鉄連では、一昨年12月に「物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」を策定。鋼材ユーザーらとの連携を体系化して推進する一方、今年4月には物流関連2法の改正を受けて発・着荷主双方で物流効率化を巡る取り組みが義務化。将来にわたって持続可能な安定供給を果たすため、一連のガイドラインを通じて発着連携のステージを引き上げていく。

 今回のガイドラインについて、鉄連・製品物流専門委員会の川越潤委員長(JFEスチール物流総括部長)は「日本の物流の未来像を描く一歩に位置づけられる」とした上で「現場の課題に根差した実践的なアプローチであり、素材産業としての鉄鋼業界が先陣を切って動きだした事は業界の枠を越えた社会的なメッセージにもなる」などと述べた。