八 景 社 長
八 景 社 長
千葉県八千代市の本社
千葉県八千代市の本社
さまざまな加工設備を有する本社工場
さまざまな加工設備を有する本社工場
八 景 社 長 千葉県八千代市の本社 さまざまな加工設備を有する本社工場

 クリーンメタル(本社・千葉県八千代市、社長・八景良太郎氏)はステンレス流通業者。ベンディング(曲げ)をはじめ、さまざまな鋼板加工を得意とする。機動的な対応でユーザーのニーズをつかみ、顧客数は1千社以上に上る。

 本社工場はレベラーシャー1基、シャーリング4基、レーザー加工機2基、ベンダー6基、バリ取り機1基、プレーナー加工機1基を有する。コイルから板へと切断する一次加工から、板からレーザー切断、曲げの二次加工まで一つの工場で対応可能なのが強みだ。2023年2月、24年11月、25年1月にベンダーを計3基更新したほか、24年2月にはCO2レーザー加工機を1基更新、バリ取り機も25年3月に更新した。この3年で老朽化設備の更新を完了させ、供給の安定性に磨きをかけた。

 加工設備だけでなく、人材教育にも力を入れている。25年7月時点で工場板金技能士が累計23人いる。うち、機械板金作業は特級が1人、1級が7人、2級が10人。数値制御タレットパンチプレス板金作業は1級が4人。レーザー加工作業は1級が1人。今年も4人が資格取得に挑戦する予定という。若手比率は高く、新卒も毎年1~2人採用できている。昨年から工業高校生向けにインターンの受け入れを始めたり、工場見学に招いたりして新卒者の応募を促しているという。

 営業拠点は本社以外に、北関東支店(群馬県伊勢崎市)、南関東支店(相模原市緑区)、名古屋支店(愛知県小牧市)、埼玉営業所(埼玉県川口市)、宇都宮営業所(栃木県宇都宮市)があり、東日本で地域密着型の販売網を持つ。店売り販売はほぼ無く、ヒモ付き販売が中心となっているのも同社の特徴の一つ。エレベーターやエスカレーターなどの建材関連が3割で、その他食品や医薬品関連など幅広い需要家に販売している。売上高のうち、鋼板類が6割、条鋼その他加工品が3割、シャーリング・曲げ・レーザー加工で1割とする。

 近年は曲げ加工に注力している。鋼板流通の市場競争が激しくなる中、同社が得意とする曲げ加工で差別化を図りたい考えだ。八景社長は「高付加価値な曲げ加工製品は新規顧客へのPR材料にもなる。曲げ加工から他の製品販売につなげられたら」と意気込む。

 今後は提案の幅をさらに広げ、より一層の成長を図る。協力会社との連携により販売可能な加工種、品種を増やす。現在はステンレスを中心に普通鋼、アルミを取り扱うが、チタンなどへメニューを広げる構想を持つ。

 日本冶金工業グループとしては最も需要家に近い立場として、実需の情報をつかむ役割も持つ。定例の営業会議では日本冶金工業の営業も参加し、情報交換することで顧客ニーズへの把握・対応に努める。

 来年度から新中期経営計画がスタートするが、今年度下期に内容の検討を始める。人口減少などで市場が縮小する中だが、きめ細かく迅速な対応力と充実した加工能力、幅広い提案力を武器に、さらなる成長に向けてまい進する。