鉄鋼輸出の宿命は、内需の好不調によって方針が左右される点にある。平成元年こと1989年(暦年)の全鉄鋼輸出は2020万トン。それまでの過去最高だった昭和51年(76年)の3704万トンからは、3分の2以下へと縮小した。 プラザ合意後の円高、そしてバブル景気による内需の好調―。国内営業の「バッファ役」と位置付けられていた輸出部隊にとり、平成が...