――営業第二部門と国土強靱化施設推進室の概要は。
「本社は土木建材の2部と鍛造加工品部、拠点は名古屋支社と新潟支店、北陸支店が含まれる。静岡と長野、水戸の各営業所も管掌エリアだ。土木建材第一部は主に公共事業の重量・軽量土木を、第二部は民間建築の基礎杭や免制震材を担当している。第二部は建築にも関わり、住友商事と関係が深い日建設計との織り込み営業が多いのも特徴だ」
「鍛造加工品部は持ち分子会社の平鍛造と共に油井管の各種継手や建機向け大径・小径リング、重電向けリング・シャフトなどを取り扱っている」
「名古屋支社は建築と土木、鉄筋の3本柱で営業している。北陸支店はこれらの柱に加えて厚板溶断の北陸鉄鋼センターを所管するほか、川田工業向け橋梁関係のデッキ製品厚板などを供給している。新潟支店は3本柱と、発電機やドラム缶用の薄板を取り扱うのが特徴だ。今期から新設した国土強靱化施設推進室は、国が予算を充てて整備を急ぐ防衛関連施設が対象。専門知識が豊富な担当者を中心に営業活動を進め、有望な事業領域として注目している」
――この10年の統合効果は。
「株主の伊藤忠丸紅鉄鋼と住友商事グループ、三つの総合商社の情報量が格段に豊富な点だ。鋼材使用量が多い大型案件のプロジェクト営業では3社の互恵関係も含めて大きな威力を発揮できている。グループ会社が施主となる物件も多いので、元請けのゼネコンとは受発注で両面のギブ・アンド・テークの関係性を構築できている。企業規模も大きくなったので扱える商材や工法、顧客分野の視野も広がったと言える」
――土木分野を中心に、近年の市場環境はどう推移したか。
「大きな変化は鋼材相場の乱高下だ。2020年までは一時的な上昇はあっても、総じて海外市況が低迷して下げ局面にあった。21年度下期からはウクライナ危機に端を発する資源価格の高騰を受け、鋼材だけでなく電力や石油・ガスなどのエネルギー価格も急騰し、その後は高止まりが続いている。工事は公共、民間ともに長期的には規模が縮小傾向にあるが、鉄道や道路、空港など大型公共事業は継続的に出続けている。ただ中央リニア新幹線や外環道など大幅な工期遅延も発生している。最近は完成から50年以上たつインフラの更新需要が増えている印象だ。鍛造に関しては災害復旧や重電、油田向けなどの需要がここ2~3年で増し、安定的な成長が見込まれる」
――課題と展望は。
「どの企業にも言えるが、人材の確保が急務だ。得意とする提案型の設計織り込み営業には担当者のノウハウ蓄積が重要なカギとなる。マニュアル化できる部分は限られ、人材育成には時間が必要だ」
「営業面では公共事業だけでなく、民間工事の杭も足元で減っている。本社や支社・支店ともに当初見込んでいた予算達成が厳しくなりつつあるのが現状だ。それぞれの分野で課題解決力を発揮して収益を伸ばすとともに、有望視される防衛施設関連で受注拡大を目指していく」
「地域的には震災があった北陸・能登半島の復興需要が大きい。出件は多いもののなかなか進展しないジレンマがあるが、地場の特約店とも協力して復旧を推進したい。また新潟などで再稼働を予定する原発の関連工事も担っていきたい。北海道新幹線延伸や東京・日本橋での首都高地中化など大規模な工事も控えており、当社ならではの力を発揮していきたい」



