澤井第三部門長
澤井第三部門長

――営業第三部門が統括する西日本地区の陣容は。

 「関西支社、中国支店、四国支店、九州支社があり、九州支社管内には南九州営業所と沖縄営業所を置いている。2022年度には関西支社土木建材部に『インフラ鉄構課』を新設し、橋梁の耐震補強工事などの案件を協力会社と進めている。25年度からは『西日本鉄構室』が発足し、関西中心の鉄骨工事を西日本全体に広げていく体制を整えた」

 「株主である伊藤忠丸紅鉄鋼と住友商事グローバルメタルズ、さらにはその親会社のグループ企業との連携を活用し、地域ごとのニーズに幅広く対応している」

――西日本における事業規模や比率は。

 「営業第三部門の扱い量は全社の約2割を占め、利益ベースでも同様だ。統合当初は2割に満たなかったが、この10年で徐々に比率を高めてきた。ただ比率拡大にこだわるのではなく、当社全体の扱い量を引き上げることに主眼を置いている」

――西日本事業の変化や成長の手応えは。

 「この10年間の需要は比較的安定していた。建設需要自体は十分あるが、現場労働者の残業規制や現場の4週8休の影響で工事の進みは遅く、鋼材需要も減少傾向が続く。だが今年上期でこの影響はほぼ落ち着き、需要は下期から来年にかけて横ばいとなるだろう」

 「西日本では都市再開発や大型物流施設、さらにはデータセンター、再生可能エネルギー関連など建築案件は豊富だ。九州の半導体案件や防衛施設関連のほか、関西でも26年度以降はIR(統合型リゾート)関連工事やホテル建設なども増える見込みだ。インフラの老朽化対応も引き続き進めていく」

――他社と差別化するポイントは。

 「当社は差別化を意識するよりも、取引先のニーズを軸に行動している。単に物を売るだけでなく、加工や物流機能を生かして現場に最適なサービスを提案する。『テクノに任せれば安心』という現場力をさらに磨いていく」

 「単独では対応できない案件でも、社内外の連携を強化することでできるようになる。西日本では地域ごとの課題にきめ細かく向き合い、提案力を強化していく」

――今後10年を見据えた戦略や注力分野は。

 「社内外の連携をさらに強化する。東京の国土強靱化施設推進室や建築鉄構分野の営業部門と連携し、防災案件や独自商品を提案していく。株主やグループ会社をはじめ、特約店や流通・加工企業と連携し、地域全体で価値提供を進める。需要家の人手不足に対応するため、ファブデッキやスーパーKHスラブなど省力化に資する当社オリジナル商品なども含めた提案力を高め、顧客の課題解決に貢献する」

――環境・脱炭素関連の対応は。

 「低炭素鋼材やGXスチール(グリーン鋼材)のニーズは徐々に高まっている。社会全体やサプライチェーン(供給網)でのコスト負担や補助金制度の整備が進めば、建築・建設分野での採用も増えてくると考えている。株主会社やグループ会社と連携して、価値提供を継続していく」

――10周年を迎えての総括を。

 「旧2社の取引先の皆さまからのご支援のおかげで、10周年を迎えられた。両社は企業文化や営業手法、得意分野が違っていたが、一緒になったことで相乗効果が生まれ、以前よりも顧客の期待に応えられるようになり関係がより強固になった」