伊藤忠丸紅住商テクノスチールが独自商品として販売する「ファブデッキ(FABB―DECK)」は、溶融亜鉛めっき鋼板と溶接鉄筋を組み合わせた配筋・捨て型枠一体型の床版製品。建築物の床面積に合わせて工場で事前に製造し、コンクリート打設用の鉄筋組み立てや型枠工事が不要なため、現場作業や工程管理を簡略化できるのが特長だ。建設業において残業時間の上限規制が厳しくなった「2024年問題」や人手不足という社会課題を背景に、省人化・省力化を求める設計会社やゼネコンなどからの採用が拡大している。
ファブデッキ事業は、商社では珍しくメーカーとして製造しており、現場での施工まで請け負っている。
大きな特長は配筋・型枠工事の省略や複数階の同時施工による「工期短縮」だ。このほか「高い施工精度」を誇り、縦筋と横筋の各交点を工場で溶接しているため配筋精度が高く、コンクリート打設後も設計通りのスラブ(床材)性能を確保している。従来工法よりも工程が簡略化され、敷いた後はそのまま作業床として活用もできるため「工事管理の合理化」の面からも秀でている。
工期短縮や全体工事量の縮減も図れるため「総合的なコストダウン」にも一役買う。鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)で建てる工場や倉庫、病院などで、厚さ120ミリ以上の一般構造床に適応する「広い用途」も強みだ。外部環境に左右されにくい全国4カ所の専門工場で、自動製造装置を用いて「高品質な工業化製品」を安定して生産している。
製品仕様は、縦筋の配置間隔が150ミリの「P型」と、より広い200ミリの「N型」の2種類。それぞれ直行する横筋が上下2段の「2方向タイプ」と上段のみの「1方向タイプ」を用意する。縦筋はトラス形状となっており、上下2本の直棒で支えている。それぞれの交点は溶接しているため、工事現場ではデッキの敷き込みと部分的な結束だけで、コンクリートを流し込める。
現場の省力効果について、担当者は「ファブデッキは、現場で全ての配筋が必要な一般デッキに比べて工程が半分に短縮でき、縦筋のみを備えた鉄筋付きデッキの競合製品と比べて15%の短縮が可能」と優位性を強調する。
生産を担う協力工場は、東日本が新潟県長岡市、西日本が兵庫県佐用町と福岡県宮若市に点在し全国を網羅する。急速な需要増に合わせて製造ラインを強化したほか、24年10月にはFDテクノ関東工場(千葉県白井市)が稼働を開始し、4拠点体制を確立した。




