スーパーKHスラブの模式図
スーパーKHスラブの模式図
マンションの床材として敷き込むKHスラブ
マンションの床材として敷き込むKHスラブ
スーパーKHスラブの模式図 マンションの床材として敷き込むKHスラブ

 プレキャストコンクリート(PCa)床版の「KHスラブ」は、伊藤忠丸紅住商テクノスチールを代表するオリジナルの省力化製品・工法。製品としてのKHスラブは、コンクリート板に構造筋を兼ねたKHトラス筋を組み込んだ、高品質なPCaスラブ床材製品だ。

 工場であらかじめ鉄筋を含むコンクリート構造物を製造し、現場でのコンクリート打設および鉄筋組立作業を大幅に低減できるのが強み。工期短縮や全体的な工費削減を実現するほか、品質面でも階下に対する防音性や高い耐火力を発揮する。人手不足に悩むゼネコンや高品質を求めるデベロッパー(開発業者)からの高い支持を受け、市場での存在感が急速に強まっている。

 担当するPCa営業部の杉原謙二部長代行は「販売当初は現場で全てのコンクリートを打設する在来工法に比べて単価が高いため、ゼネコンからは『コスト増になる』と敬遠されがちだった。だがPCaメーカーの協力を得て、安定した品質確保や工期短縮などの利点を提案することで徐々に市場でも浸透していった」と振り返る。

 建設業の労働力不足が叫ばれる中、近年は省力化商品としてより注目を浴びるようになった。当初は床材への適用が中心だったが、現在は柱や梁、階段、バルコニーなどのプレキャスト部材にも広がっている。

 KHスラブにおけるトラス筋は鉄筋で構成される鋼材。これを型枠に配置し、コンクリートを流し込んで製造する。

 生産は協力工場に委託しており、直近では2024年10月に長谷工コーポレーションのマンション向けに供給する「長谷工インダストリーズ」(茨城県かすみがうら市)が始動。伊藤忠丸紅住商テクノスチールも一部出資し、材料供給や技術協力などで旺盛な需要に応えている。

 協力工場での生産能力は年間50万~60万平方メートルだったが、茨城の新工場が加わったことで将来的に100万平方メートルを目指す。

 松本和彦PCa営業部長は「現場のコンクリート使用量が少ないので、生コンのトラック輸送も減り環境にも優しい。省力化と合わせてアピールしていきたい」と意気込みを語る。