入社50年、社長30年。需要の曲がり角が続いた時代に、小野建を業界の要へ押し上げた総帥は、上場で組織を開き、社長室を廃して現場に立ち、人脈と流通網を磨いてきた。九州では畏れられ、同時に親しまれた「顔」として、経営と現場の間を軽やかに行き来した半世紀を、静かな口調で振り返る。(中島 康晴)