作家・阿刀田高さんがかつて「言葉」をテーマに語った講演の中に「明けの心・暮れの心」というのがある。 朝、太陽が昇り、夜が明けてくる(陽が上がる)と、周りも明るくなる。多くの人々は「さあ、始まりだ。起きて頑張ろう」となる。逆に太陽が沈む「暮れ」になると、周りは暗くなり、多くの人々は疲れ、やがて眠る。 これを阿刀田さんは、世の中の経済や政治、そ...