――まずは60周年を迎え、率直な感想を。
「これまで当社を支えてくださった取引先、OB・OG、そして現在の社員がいて、今日を迎えることができたことは非常にうれしく思っている。全ての方々に感謝したい」
「2024年4月、父であり前社長の英司会長からバトンを引き継ぎ、3代目社長に就任した。当社に入社したのが2013年。16年に50周年を迎えてから10年がたつ。あっという間に10年が過ぎたという印象を持っている。くしくも、創立記念日が私の誕生日と同じことも何かしらの縁を感じている」
――直近の10年で会社としてどのような変化がありましたか。
「ここ10年でカーボンニュートラルの実現やSDGsなど、環境への関心が非常に高まり、鉄鋼業界では電炉に注目が集まっている。国内高炉メーカーは電炉の新設や導入計画を進めており、電炉へのシフトが見られる。また、既存の電炉メーカーも更新や改造などに積極的で、当社の事業に追い風が吹いていると考えている」
「電炉本体だけでなく、その周辺設備にも新たなトレンドが見られる。人手不足やさらなる安全対策のため、炉前の省人化や無人化設備の引き合いが増えている。省エネ設備や、危険ゾーンに近づかずに作業できる設備のニーズは今後も増えるだろう」
――社内での10年間で、変わったこと、変わらないこととは。
「社内については10年間でこれまで当社を支えてくれた60~70代のベテラン社員が引退し、若手を採用したことで、若返りが進んでいる。若手にはベテランの技術やノウハウをしっかりと受け継ぎ、今後も当社の強みを遺憾なく発揮してもらいたい」
「逆に、これまでと変わらないことは、会長の考えである『クイック対応』、『シンプルな機構』、『高品質』を追求していることだ。当社は電気炉やその付帯設備、集塵装置などをユーザーのニーズに沿って、オーダーメードで開発・製造している。また、60年の歴史の中で先人たちが蓄積してきた技術・ノウハウを生かしたコンサルティングやメンテナンスまでトータルでサポートしている」
「環境改善に結び付くような集塵装置など、地球環境に配慮した事業を心掛け、『電炉製鋼技術のパイオニアたるべし』という精神を持ちながら、常に技術をレベルアップさせながら製鋼業界の発展に寄与していきたい。この考えや想いは不変で、今後も追求していきたい」
――会社としての強みとは何でしょうか。
「社員数は約40人。少数精鋭で対応が早いことが強みの一つだ。ユーザーの要望に、できないとすぐに言うのではなく、いったん持ち帰り、会社として可能な限り対応できるか検討している。ユーザーに寄り添った営業を持ち味としており、ユーザーを訪問した際に当社の対応力やレスポンスの速さを評価いただくケースもしばしばあり、うれしく思う。今後もこの強みを大切にしていきたい」
「当社の姫路製造所の周辺には電炉メーカーが集積しており、立地条件も強みの一つだ。関西圏だけでなく、国内製鋼メーカーの約95%に当社の設備が納入されており、各社の設備の特徴も把握している。各社各様のニーズに沿った設備の設計力は強みであり、磨き続けていきたい」
――企業としてさらなる成長を遂げるために考えることとは。
「最初に設計から製造まで手掛けたバーナーは40~50年たつが、現在でも一定のニーズがある。一方、ユーザーが求める新技術や新商品はまだまだあると考えている。ユーザーとの密なヒアリングを通して、当社が設計・製造できる新たなテクノロジーやアイテムを増やしていきたい。そのほか、AIを活用した設備の開発も進めたい」
――今後の展望を教えてください。
「電気炉設備を核に、技術力と開発力に磨きをかけ、効率化・省エネおよび省人化・安全強化につながる付帯設備や、AIを駆使した製鋼関連設備を臨機応変に提案していきたい。今後もユーザーと対話を重ね、既存商品をブラッシュアップさせながら、新技術・新商品を提供していきたい。そのためにも設計力をさらに高めながら企業としてより一層成長していきたい」
「『従業員数は観光バス1台』という会長の考えの下、今後も少数精鋭で事業を運営していきたい。社長に就任して約2年がたち、私の一言一言が社員のモチベーションに関わることを実感している。全社員としっかり対話をしながら、経営のかじを取っていきたい。そして今までの積み重ねが大事であり、社員を大切にしながら、次の70周年を迎えたい」



