植田充紀氏は71歳。京都・「参稔工房」の手かじ工。「何かを作るという行為は原初的な行い。それに惹かれたのは極めて自然なことで、運よく良い師に巡り会えた。技術の習得などの苦労は、楽しい思い出」という。 氏は、金属の性質を熟知し、成形から最後の仕上げまで一貫制作する。金属工芸の伝統的な鍛金技術を駆使し、特に難しいとされる煮込み着色に優れる。素朴...