内外装仕上げ材やエクステリア製品を展開する四国化成建材(本社・香川県丸亀市)は、非住宅向けエクステリアで高いシェアを誇り、少量多品種のものづくりを強みに事業を拡大してきた。四国化成ホールディングスの一員として、ホールディングス長期ビジョン「チャレンジ1000」の達成に向け、設備投資による生産体制の高度化や環境対応商品の拡充を進めている。眞鍋宣訓社長に足元の事業環境や今後の成長戦略を聞いた。(高鍬 颯良)
――主力事業について。
「大きく三つの事業に分かれる。一つ目は創業商品である塗り壁などの内外装仕上げ材。もともとは職人が手掛けていた塗り壁を業界に先駆けて量産化した。現在では住宅だけでなく、オフィスや公共施設など幅広く採用されている」
「二つ目は金属製品で、戸建て住宅向けのエクステリア事業。当社はアコーディオン門扉を国内で初めて開発・販売し、フェンスやカーポートなどにも展開してきた。三つ目は学校や工場、公共施設など、非住宅向けの景観エクステリア事業。現在では売り上げの約6割を占め、非住宅分野のアルミエクステリア市場では約50%のシェアを誇る」
――強みは。
「一品一様の対応力だ。設計事務所やハウスメーカーから『ここに屋根を付けたい』『この形状に合わせたい』といった要望を受け、その都度新たに設計し、ラインアップを拡充。他社メーカーが大量生産を得意とする一方、当社は少量多品種のものづくりに強みがある。コンピューターで制御するNC加工機を活用し、多様なサイズや仕様にも柔軟に対応できる」
――2025年度の事業環境を振り返ると。
「非常に厳しい一年だった。24年問題による労働制限などの影響で建設案件そのものが減少し、建設資材を供給する当社にも大きく影響した。首都圏では大型開発が続くものの、高層ビルでは当社製品の採用範囲が限られる。売り上げの約4割を占める首都圏向けが苦戦したことも響いた」
――中東情勢や為替の影響は。
「アルミ地金価格の上昇に加え、円安による調達コスト増が利益を圧迫している。一方、ホールディングス全体では化学品事業など輸出比率の高い部門もあり、建材事業を補完できる点はホールディングスの強みだ」
――長期ビジョン「チャレンジ1000」の現状は。
「29年度にホールディングスで売上高1千億円、営業利益150億円を目指している。当社においては建材事業では非住宅分野を中心に成長を図り、29年度には売上高222億円、営業利益23億円を目標に掲げている」
――設備投資も進めていく。
「長期ビジョンでは約80億円の設備投資を計画している。その一環として、工場の老朽化対応を進める。徳島工場(徳島県徳島市)、多度津工場(香川県多度津町)、鳴門工場(徳島県鳴門市)、埼玉工場(埼玉県嵐山町)、高瀬工場(香川県三豊市)の5工場あるが、50年が経過している建屋もあり、今年11月から順次、耐震補強を進める予定だ」
「また、単なる省人化ではなく、一品一品の生産を自動化できる工場にしていきたい。当社は少量多品種生産に対応するため、セル生産方式を採用しており、一人の作業者が一つの作業区画(セル)の中で部品の加工や組み立てを担っている。一品一様の製品が多いため、どうしても人の手に頼る工程が多い。可能な工程をロボットに置き換え、自動化できる生産体制を構築したい。以前から材料搬入、生産、出荷までをシステムでつなぐ基盤整備を進めており、究極的には、一品一様のものづくりと自動化を両立できる工場を目指している」
――他社との協業も。
「今後は自社だけで全てを抱える時代ではなくなってくると考えている。自社だけで解決できない案件もあるため、同業他社との協業も積極的に進めたい。競争する部分は競争しながらも、お互いの強みを組み合わせることで新たな価値を生み出し、顧客により良い提案をしていきたい」
――新ブランド「MEGLIO」の進ちょくについては。
「環境への取り組みをさらに強化するために立ち上げた。当初は環境配慮型商品のブランドとしてスタートしたが、現在では当社のパーパスそのものになっている。『高強度』、『長寿命化』、『空間価値向上』、『省力化』、『脱炭素』、『循環経済』を軸に商品開発を進めており、社会に必要とされるアイテムを供給していく」
――第1弾として「ソリスルーフ」を発売した。
「公共施設や大型商業施設などの大規模駐車場に適した太陽光発電一体型のカーポートで、引き合いは着実に増えている。大型案件が多く、大幅な売り上げ増につながるまで時間はかかるが、脱炭素需要は確実に広がっている。太陽光設備としてだけで考えると投資回収期間が長く見えるが、そもそもカーポートとしての価値がある。雨の日に利用者が濡れない、車を守るといった機能に加えて発電もできるという点を訴求していきたい」
――人材育成にも注力する。
「最も重要なのは『個の力』を高めることだ。研修制度や資格取得支援を充実させている。変革には管理職の役割が重要と考えており、管理職の意識向上に加えて、社員一人ひとりが横串で『なぜその取り組みをするのか』を理解できる組織づくりを進めたい」
――営業改革も進める。
「社長就任時に掲げたのが『NOと言わない四国化成』だ。これは営業マンの実態を眺めていくと、現場では多種多様な要求があるが、『それは当社ではできません』と言っているケースも少なくない。何でも受けるという意味ではないが、顧客の要望に100%応えられなくても、代案を含め、必ず解決策を提示するという考え方を社員に浸透させていく」
――今後の目標は。
「売り上げだけを追い求めることが成長ではない。会社が持続的に存在し、社員が安心して働ける環境をつくることが大切だ。社員には『一番大切なのは自分の健康、次に家族、その上で仕事』と伝えている。社員が健康で充実して働けることが会社が長く続く一番の基盤だと考えている」









