関東コイルセンター(CC)工業会は本年、創立60周年の大きな節目を迎えた。1966年7月の発足以来、高度経済成長期の需要拡大とともに発展してきた同会だが、バブル崩壊後の構造不況などを経て、その活動理念は「会員の親睦」から「業界ステータスの向上」へと大きな進化を遂げてきた。
転換点となったのは、創立から約30年を経た97年。創業者世代から第2世代へのバトンタッチとして、第8代・鈴木貴士会長(五十鈴)が就任。鈴木会長はCC業界の機能や必要性、人材の質的レベルアップを掲げ、工業会活動の基盤を再構築した。
その路線を継承した第9代・村山和雄会長(村山鋼材)の下、2006年秋に今や工業会の目玉事業となった「小集団活動発表会」が始まった。各社の現場力強化のヒントやノウハウを、あえてライバルである同業者に公表する。情報の出し手と受け手が切磋琢磨し、相乗効果を生み出すこの事業は、まさに「業界ステータス向上」を具現化した取り組みであった。
その後、第10代・西山寛会長(西山鋼業)の時代に、この小集団活動発表会は全国組織との共催事業へと発展。さらに東日本大震災の苦境を越え、第11代・藤澤鐵雄会長(藤澤鋼板)へとバトンが渡る。生来の明るさを持つ「業界のムードメーカー」であった藤澤会長は、〝平成のミスター加工賃〟として、長年の課題であった加工賃の是正に執念を燃やし、各社が「相場を下げてでも自社稼働を優先する無駄な競争」から脱却するための意識改革を力強く牽引した。
しかし、20年からの新型コロナウイルス禍が業界を直撃した。総会は書面開催となり、懇親会や恒例の小集団活動発表会も中断を余儀なくされた。未曾有の危機の中、全国CC工業組合とも連携し「適切な事業環境整備実現」を需要家へ訴え続ける地道な活動が続いた。そして23年9月、4年ぶりに小集団活動発表会が復活を遂げ、現場の熱気は再び活気を取り戻したのである。
本年6月、第12代・奥澤公明会長(奥澤産業)へとバトンが引き継がれ、新体制が発足した。直近に開催された第18回小集団活動発表会では、同業3社による「合同発表」という画期的な協業モデルが披露されるなど、現場交流は着実に大きな成果を生み出している。
創業者世代から第2世代、そして第3世代の若手経営者へと引き継がれていく工業会のバトン。60年という歴史の重みを胸に、次なる70年、100年へ向けて、関東CC工業会は「業界の地位向上」と「魅力ある業界づくり」という不変の理念の下、これからも確かな歩みを進めていく。




