日本の鉄スクラップ輸出商談の低迷が続いている。特に主力の輸出先であるベトナムとバングラデシュは雨期や豪雨災害の影響もあって買い意欲が低調。日本産スクラップの輸出商談価格(H2)は両国向けともにFOB換算でトン5万500円前後と、韓国向け(同)のFOBトン5万1千円を下回る水準となっているもよう。為替は円安に進んでいるものの、ドルベースでの価格下落が響いている。

 両国向け輸出とも需要の鈍さに加え、日本産スクラップに対する高値警戒感もあって目立った成約が見られない状況が続いている。足元でH2ベースの買い提示価格はベトナムがCFR355~360ドル、バングラデシュは同375ドルに切り下がっている。

 一方、韓国向け輸出は上級品種の新断やHSが主体ながら、H2の商談価格は5万1千~1500円とされた。

 ベトナムとバングラデシュ向け輸出価格は、これまで鉄スクラップ国内市況の上昇をけん引してきた。特に関東鉄源協同組合が実施する共同輸出は2026年度の落札量20万5千トンのうち、バングラデシュ向けが11万5千トン、ベトナム向けが9万トンと輸出先は2カ国にとどまった。

 両国向け輸出の低迷は、7月に入って鉄スクラップ国内市況の下落につながっている。

 今月9日に実施された同組合の輸出入札はトン5万2508円(H2、FAS)で、ベトナム向け1万5千トンを落札。落札価格は前月比1998円の下落となった。輸出対抗を掲げる東京製鉄が翌10日から買値を引き下げ、国内市況の下落が鮮明となった。

 鉄スクラップ国内市況は、その後も関東地区を中心に急ピッチな下落となっている。鉄筋棒鋼の出荷低調に伴う電炉メーカー各社の生産水準の低さが、関東地区の鉄スクラップ需給の緩さにつながっている。

 これに加えて、主力のベトナムやバングラデシュ向け輸出商談の低迷を受け、湾岸価格はメーカー買値に先行下落している。