「なぜこれほどまでに売れないのか」―。最近、特殊鋼流通を訪問すると、頻繁にこうした嘆き節に触れる。昨年までに相場が大きく上伸したことから、販売量が落ち込んでも一定の収益を確保できていた向きも少なくなかった。ただ、足元ではさらに荷足が鈍り月次赤字に陥るケースも散見される。さらに、諸経費の高止まりが続き労務費も上昇。こうしたコスト高騰分も売値に...