部屋の片隅にしまい込んでいた5年前の取材ノートを久々に手に取った。読み返したのは、2020年4月のページ。日本で本格的な新型コロナ禍が始まったころだ▼「日々刻々と状況が変わる」「どこまで注文が落ちるのか、まだ見えない」―。メモに取材先の不安げな声色まで思い出す。経済活動がまひして鋼材需要が急減。鉄鋼各社はやにわに緊急対策へと踏み込んでいった...