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鉄鋼ニュース

2016/04/20 06:00更新

「新社長インタビュー」〈三井金属鉱業・西田計治氏〉=リサイクル製錬、さらに注力

――社長就任の感想、抱負を。
 「社長就任と新中計のスタートが同じタイミングということで、この中計をしっかりやり遂げたいというのが抱負。今年に入って世界的に政治、経済が大きく変動しており、非鉄金属価格も含めて外部環境は厳しい状況にある。そういう意味では身の引き締まる思いだ」

 「当社は創業から140年以上の歴史があり、そうした長年の基盤の上に成り立っている。事業そのものも素材ということで基本的には中長期の視点で考えていく会社。そういう意味では私になったからといって何かをドラスティックに変えるというものではない。社内で作り込んだ新中計の中身の中でしっかりかじ取りをしていくことが私の役割だと思う」
――15年度が最終年度だった前中計の評価は。
 「非鉄金属価格の下落に伴う在庫影響や減損などから利益目標は未達となったが、成長戦略はかなり実行できたと考えている。機能材料では触媒の海外展開強化、極薄銅箔の取り組みなどは当初計画通りにできた。金属でもリサイクル原料の比率を高めていく取り組みが着実に進んだ。自動車機器では成長市場を取り込むためにメキシコとインドネシアに拠点を新設した。収益的にはまだ満足できないところもあるが、今後はこれらが収益に貢献してくると思う」
――リサイクル製錬の取り組みを強化している。
 「リサイクル原料の増処理についてはグループの製錬所全体で各拠点の処理量を少しずつ増やしていこうというもの。その中で足りない設備の増強なども行うということで時間がかかるし、地道な取り組み。それを前の中計から少しずつ進めている段階だ」
――資源開発の取り組みについては。
 「チリのカセロネス銅鉱山に関しては銅価下落と立ち上げの遅れで残念ながら前中計で大きく未達だった部分。亜鉛ではカナダのラドッククリークのFSを進める計画だったが、現在は中止している。足元では銅も亜鉛も低価格なので新たな案件を進めるという状況ではない。まずはカセロネスを軌道に乗せることと、亜鉛ではワンサラを引き続き安定操業すること」
――亜鉛価格低迷に対応するため、ワンサラの増産とパルカの減産という操業体制を敷いているが、しばらく維持するのか。また、ワンサラ近隣での探鉱の進ちょくは。
 「亜鉛価格を見ながら最適な操業体制がどういう形かというのは鉱山業で最も重要な部分。低価格下での操業をどうするかについては引き続き十分考えながら運営していく。探鉱は続けているが、現在のような亜鉛価格だとそれを加速するという状況ではない。この価格では探鉱のペースを落とさざるを得ない」
――触媒事業の成長戦略は。
 「これまで触媒は二輪向けで海外展開してきたが、足元では米国の四輪向けが立ち上がりつつある。四輪向けには今後も期待しており、米国が上手くいけば他の海外拠点にも広げたい」
――銅箔については。
 「ここ数年厳しい損益が続いていた汎用銅箔は生産のアジアシフトや生産性向上などで損益改善が進み、黒字が見えてきた。マイクロシンについては常に右肩上がりとはいかないが、成長軌道には乗っている。これは市場の伸びに合わせて生産能力も上げていきたい」
――電池材料の成長戦略は。
 「MHは比較的堅調に推移しており、このペースを維持したい。一方、LMOについては当初計画ほど伸びていない。ここは電気自動車向けの次世代や次々世代というところで次のチャンスをうかがうという位置付け。電池材料は電池の性能向上に向けた商品の入れ替えがまだまだ続いていく。そういう意味では当社としてもビジネスチャンスを狙っていきたい分野だ」
――新中計の重点テーマについては。
 「機能材料で言えばユーザーニーズとすり合わせながら伸びるアプリケーションに使われる材料を提供していくこと。金属では数年来進めてきたリサイクル原料比率を高めていくという路線を続ける。自動車機器では新設した拠点をしっかり立ち上げることと、これまでの路線の中で何を付加していけるかということになるだろう」
――人材育成の考え方については。
 「会社と時代が求める人材に育ってほしい。それから必要に応じて中途採用や海外での採用も増えていくだろう。そうした人たちに当社の風土にいかに慣れ親しんでもらえるか。国内外の全従業員がそれぞれの役割をしっかり果たしてもらえるような会社にしていくことが重要だと思う」(相楽 孝一)
プロフィール
 経理・財務畑出身。リーマンショック時に財務部長に就任し、「環境の急速な悪化を体感したことが忘れられない」。学生時代から将棋が趣味。「最近はプロの対局鑑賞が専ら」と。大牟田出身で「入れるなら三井の会社にという思いはあった」と話す。座右の銘は着手小局(小さな事柄にも心を配り実践すること)。
略歴
 西田 計治氏(にしだ・けいじ)80年(昭和55)山口大学経済卒、三井金属鉱業入社。10年執行役員、11年取締役兼CFO兼常務執行役員、14年代表取締役専務取締役兼CFO兼専務執行役員などを経て16年4月に社長就任。福岡県出身、58歳。

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