Metal & Technology 鉄鋼新聞

  • メール配信申込
  • 定期購読申込
  • 広告掲載申込
  • ENGLISH
文字サイズ

  • RSS

鉄鋼ニュース

2017/06/20 06:00更新

鉄リ工業会が国際フォーラム、鉄スクラップ輸入地域「2030年までに南アジアが最大に」との見解も

 日本鉄リサイクル工業会の国際ネットワーク委員会(委員長・安東元吉青南商事社長)は17日、都内で第7回「国際鉄リサイクルフォーラム」を開催し、会員など約350人が参加した。テーマは「新マーケットへのチャレンジ」。今回は初めてバングラデシュからゲストを迎え、同国最大の製鋼メーカー、BSRMのイムティアツ購買部長が「2030年までに南アジアの鉄スクラップ需要は1億トン増加し、世界最大の輸入地域になる」との見解を示した。また、中国での地条鋼の全廃を背景とした鉄スクラップ輸出の開始について、中国廃鋼鉄応用協会の李樹斌常務副会長は「あくまで一時的な動き。中国は20年までに粗鋼生産に対する鉄スクラップ使用を20%に高める計画。40%の輸出関税は維持されるため、発生する鉄スクラップは国内消費で吸収される」と語った。

 インドは2025年までに粗鋼生産能力を年3億トン引き上げる計画。2050年までにバングラデシュは世界で23番目、パキスタンは16番目の経済規模に成長する。
 1人当たりの鉄鋼消費量は世界平均で200〜250キログラムだが、現在はバングラデシュが31キログラム、インドが65キログラム、パキスタンが38キログラム。ただ、南アジアはこれから経済成長が見込める地域であり、鉄鋼消費量も伸びていく。南アジア3カ国の1人当たり鉄鋼消費量はいずれ200〜220キログラムになろう。
 経済成長率が現状のペースで伸びる前提で30年までを予測すると、インドの鉄鋼生産能力は現状プラス1億4200万トン、バングラデシュは同2800万トン、パキスタンは同3500万トンとなる。合計すると2億520万トンの能力アップが見込める。南アジア地域では、生産能力の約半分が電炉で構成されるため、能力増強の約半分である年約1億トンの鉄スクラップが必要になる見通しだ。
 バングラデシュに限れば鉄鋼メーカーは関税の多いビレットよりも鉄スクラップの輸入を好んでいる。簡潔に言えば、スクラップは輸入関税の低さの点で、ビレットに対し15%のメリットがある。
 バングラデシュの鉄スクラップ輸入量は年60万トンだが、鉄鋼メーカーの設備増強の計画通りに進めば、ここ数年来で300万トンまで増える。輸入量が300万トンとなれば、アジアにおいて鉄鋼生産が増えているベトナムに匹敵する輸入国になる。
 鉄スクラップのリサイクルは南アジアで必要不可欠な存在となるが、中でもインドは30年までに国内リサイクル産業の市場規模を2千億ドルに発展させる予定だ。ただ、引き続きスクラップの輸入国であることは変わらない。また、バングラデシュとパキスタンは世界で最大規模の輸入国となるため、南アジア地域は将来的に世界最大の鉄スクラップ輸入地域になるだろう。
中国廃鋼鉄応用協会・李常務講演/「鉄スクラップは国内で消費」
 2011年から15年の中国での鉄スクラップ消費量は約4億4千万トンで、粗鋼生産量に占める鉄スクラップの消費比率は11・5%だった。16年は消費量が9010万トンで、使用比率は11・1%。11〜16年の中国での鉄スクラップ平均消費比率は11・4%となった。
 中国政府の政策としては、鉄スクラップの消費比率を20年までに20%に引き上げることを目指している。さらに25年までには30%にする計画だ。
 中国の粗鋼生産に占める鉄スクラップの消費比率が20%に高まれば、鉄スクラップ消費量は現状プラス1億5千万トンとなる見通し。20年末の中国の鉄鋼蓄積量は100億トンに達し、鉄スクラップの発生量は2億トンとなる見通しだ。中国政府は20年までに粗鋼能力を7億5千万トンまで落とす計画だが、消費比率が20%に引き上がれば市中スクラップの発生量を国内需要によって吸収できる。
 中国はこれまでスクラップの輸入国であり、09年の輸入量は1369万トンだった。最近、中国から鉄スクラップが少量輸出されているが、これは国が進めていることではなく一時的な現象にすぎない。政府が正式に決めたことではないが、中国から鉄スクラップを輸出する際には40%の関税が徴収されている。この40%の税率は当面変わらず維持されるだろう。
 中国では「地条鋼」の生産能力が迅速に削減できたことによって、鉄鋼産業が黒字転換できた。鉄スクラップ価格も底打ちから上昇に転じており、鉄スクラップ業者はこれまでの苦境から脱却し、順調に業績を回復してきている。

続きは日刊鉄鋼新聞をご覧ください。

その他の記事

各記事の詳細は日刊鉄鋼新聞でご覧いただけます。




Copyright japanmetaldaily All Rights Reserved.